世界シェアと日本のガラス

ガラス産業は先行きが怪しい、という噂(?)もあるがデータを調べているとそんなことはないな、と感じさせられた。
日本のガラスは世界で高く評価されていて、技術力や品質管理能力の面では世界最高水準である。

ちなみに、工業ガラスは(少し古いデータだが)2011年の時点で

世界シェア2011年 順位
液晶ガラス1位 コーニング(米)50%2位 旭硝子 25%3位 日本電気硝子 20%
板ガラス 3社が1位 旭硝子 14%日本硝子+ピルキントン 14%サンゴバン14% 
太陽電池用ガラスシリコン型1位 旭硝子薄膜型1位 日本板硝子+ピルキントン

世界のシェアからも、日本のガラス技術の高さがうかがえる。
日本の製品は日本・アジアを中心に売り上げている。欧米には弱いため、海外メーカーを買収し近年ではそちらのシェアを伸ばしてきたのだ。ちなみにサンゴバン社は日本のセントラル硝子と提携している。
また、日本の板ガラスのシェアは旭硝子と日本板硝子を合わせると世界で1/4以上のシェアをもっている。自動車ガラスになると、日本およびアライアンス(企業同士の提携)を組んでいる企業は3/4にもなる。これは大きな強みだ。

しかし、欧州など先進国向け事業の弱さは否めない。「ご近所さん」の韓国・台湾のディスプレイメーカーともつながりの弱さがある。(液晶ガラスではコーニング社が他の追随を許さない)
不安な面を挙げるなら、日本板硝子+ピルキントンの経営だ。2013年の時点では完全に失敗した、と話もある。

そのため、ワールドカップやオリンピック開催で急速にインフラ整備や生活向上への期待が高まるブラジル等、新興国での需要へ目を向けているところだ。また、トヨタ等の自動車産業もブラジル市場への進出が盛んである。そちらとタッグを組みつつ、現地での自動車メーカーへもアピールしている。